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ケニア旅行記

(2007年7月27日〜2007年8月5日)

 

 

★ 4日目 ★

朝、6時半。まだ暗闇の中サファリーは進み始めた。サファリカーの進み方に合わせて陽が昇ってゆく。普通にしてても寒いのに、昨日からの興奮が冷めない僕たちはサファリカーの天井から身を乗り出して、朝の大地をうかがう。着ているものは、Tシャツにトレーナー、ウインドブレーカー、嫁はTシャツ、トレーナー、ジャンパー、おまけにマスクと手袋まで着用している。昼はこれを一枚ずつ脱いでいくのだ。

朝のケニアの風景は神秘的だ。僕たちがロッジを出たのが一番だったからか、僕たちが見た朝一番のケニアの大地は間違うことなく動物たちの楽園のような賑わいを見せていた。多くのレイヨウ類が群れをなし、それぞれに草を食む。動物たちの多さに賑わいを感じる一方で、とても静かで、この朝の静寂がずっと続いていくような錯覚さえ起こしてしまう。朝の冷たい空気と同じような緊張感がそこにはあった。
 
朝の道 インパラ トムソンガゼル
朝の道
オトコ前のインパラ
トムソンガゼル
 
朝のゲームサファリ中、僕たちの視界にはずっと朝焼けとバルーンサファリの気球が映る。なんか文面がロマンチックな人の日記風になってしまうけど、そんな神聖で不思議な世界なのだ。サファリカーの音と、バルーンサファリの燃料が繰り返し発する音だけが大地に広がる。本当に静かな世界なのだ。

ヌーの長い隊列が現れた。それは永遠に続きそうなくらい長いのだ。下の真ん中の写真のヌーは手前だけじゃなく、奥のほうの黒い斑点もヌーで思いっきりヌー祭りが開催されているのだ。そんなヌーの隊列を見ていると、どこからかブサイクな動物が走ってきた。ブチハイエナだ。早いぞ、早すぎるぞ!そして、朝の静寂をぶっ壊すこのブチハイエナの向かった先には何かの死骸が。はじめはヌー祭りの現場だったのでヌーのご遺体との対面を期待したが、ご遺体はかなり小さくて草の高さに負けてよく見えない。ゴードンさんに言わせれば、ライオンかチーターのハンティングの残飯を漁りに来たらしい。しかも、その残飯にはセグロジャッカルも漁りに来ている。静かな朝にハイエナのガリガリという骨を噛み砕く音が響く。大自然は偉大だ。
 
バルーンサファリ ヌーの大群 急ぐブチハイエナ
朝靄とバルーンサファリ
ヌーの大群
急ぐブチハイエナ
 
ロッジに戻って朝食を食べる。昨日まではレストランの真ん中あたりが僕たちのテーブルだったのに、今日からは『ここでいいよ!』とウエイターのトニーが笑顔で川沿いのテーブルに案内する。トニーはとてもいいやつでかなり気配りができる。僕たちがレストランに行くと、まず少しの会話を楽しんでから食事へと促す。これがトニーと僕たちの日課だ。ここのロッジはマネージャーも気さくで毎回テーブルに顔を出して、ゲームサファリの成果を聞きにくる。マラ・シンバ・ロッジはスタッフのみんなが人懐っこくてフレンドリーでとても気持ちがいいロッジだ。
 
マラシンバロッジ マラシンバロッジのワニ 木
レストランから見える風景
レストランの下のワニ
ケニアのよくある風景
 
朝食を食べたのが10時なのに、昼食は午後1時半。そのあいだは昼寝をしたり、カメラの充電を行ったりする。マラ・シンバ・ロッジは電気の使用時間が規制されているので電気が通じている時間帯にしっかり充電しておかなくちゃいけない。この規制は正直不便だが、こういう不便こそ大自然の醍醐味なのだ。

ところで、食事に関してちょっと思った。

まずは食事時間の間隔の短さと運動不足(ゲームサファリ中はほぼ歩かない)から来る食欲不振。これは、しっかり三食摂取できるように食事量の抑制が大事だと思った。運動不足から体重増を気にする向きもあるけど、それよりも楽しくおいしく食事をできないことのほうがつらい。肉や味の濃いものもいいが、野菜や果物などバランス良い食事がお勧めかも。

次に思ったのが、食事の味。どれもおいしいとは思うけど、飽きてくることもある。そんなときは自分なりに工夫をしてました。僕の場合は、ご飯やパスタなどの主食に飽きたら、パンやトルティーヤに生野菜や肉、魚、味の変化をつけるためにドレッシングやカレーソースをかけたりして楽しんで食べていた。自分なりの組み合わせで新しい味を発見することができるビュッフェ、最高です。

ミネラルウォーターにもちょっと触れておきたい。この旅行記は次回のケニア旅行のための備忘録の要素もあるのだ。ミネラルウォーターはナイロビのスーパーで2人で5日分、4.5リットル買った。ロッジでは毎日ひとり500mlのミネラルウォーターが付く。ってことはひとり一日950mlの計算だ。おまけに毎食事中は三杯ずつくらいコーヒーとかジュースとかビールを飲んだ。次回はあくまで我が家的には4.5リットルか5リットルの水が必要だ。
 
ある日の朝食の一皿目 ある日の昼食の一皿目 ある日の夕食の一皿目
ある日の朝食の一皿目
ある日の昼食の一皿目
ある日の夕食の一皿目
 
4時、夕方のサファリに出発です。ゲームサファリに慣れてくると困った問題が発生する。はじめはシマウマで感動していたのに、もっと違うものを見せろとか、もっといい場所はないのかとワガママという欲求が深まるのだ。しまいにはシマウマ10頭とゾウの子供を交換してくれとか、ヌーのいないところに連れて行ってくれとか理不尽な気持ちがうごめいてしまうのだ。

今日はそんな感じの夕方のゲームサファリだった。ちなみに一番感動したのは夕日です。そんな罰当たりの僕たちが今日見ためぼしい動物と言えば、ゾウさんとキリンとイボイノシシでした。そして、なぜかゾウにだけ『さん』づけしていることに気づいたわけです。しかも、イボイノシシに至っては『イボ』とか『イボちゃん』と大興奮した結果、ガイドのゴードンさんまでもなぜか『イボちゃん』と呼ぶようになり、間違った日本語を教えてしまったようで少し反省すらしています。
 
ライオンも見た。しかも、またもやお昼寝中のライオン。ゲームサファリをはじめて2日。2日ともライオンが見られるなんてラッキーなのはわかっているんです。わかっているんですけど、ちょっと座ってみたり、ガオーっと口開いてみたり、せめて少しでも動いてくれませんか、と僕は言いたい。お前はぬいぐるみじゃないのか、とも少し言いたい。
 
ハーテビースト トピ ゾウさん
ハーテビースト
トピ
ゾウさん
マサイキリン ライオン 夕日
柄が面白いキリン
ぬいぐるみ
神々しいい夕日
  
夕食後、レストランからの長く暗い帰り道、電灯を持ったスタッフが近寄ってきて部屋まで案内してくれた。彼は大きく広がった耳たぶを引っ張り、昨夜レストランで行われたマサイダンスのショーに出演していたマサイなんだと言った、ただそれだけ。
 
 
【本日出会えた動物】
サバンナヒヒ、サバンナモンキー、シママングース、ブチハイエナ、セグロジャッカル、ライオン、ゾウ、シマウマ、ヌー、イボシノシシ、マサイキリン、ウォーターバック、ハーテビースト、トピ、インパラ、トムソンガゼル、バッファロー、カバ、ワニ、ダチョウ、ハゲタカ、アフリカハゲコウ、他
  



 

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