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モロッコはウザくなかった旅行記(8日目)

~放屁はラクダの上で~
(2015年8月7日~2015年8月16日)




8日目。

おはようどす。いい天気どすな。ワタクシは今「モロッコの京都」にいます。

モロッコの京都の朝御飯は、湯葉を連想させるクレープ、絹ごし豆腐と間違えそうになったパンケーキ、漬物(オリーブ)などなど美味でおばんざいどす。
 
 
食後はタクシーでフェズ駅へ。

英語があまり通じないこの国。タクシードライバーさんもステーションくらいはわかって欲しいけど通じず。フランス語だったか何語だったか忘れたけど

すたしおん!すたしおん!

と言ってやっと通じる。そしてこれがフェズすたしおんです。
 
 
フェズ駅からはメクネスアミール駅まで10時10分の2等車のチケットを購入。2等車満席です。

正確に言うとメクネス・アミール・アブデルカ駅です。メクネス・アミール・アブデルカ、ナマムギ・ナマゴメ・ナマタマゴ、サイン・コサイン・タンジェント。
 
 
メクネス・アミール・アブカデル駅に到着。

駅隣りの売店兼喫茶で荷物を預ってくれるという事前情報に騙され、近くのレストラン2軒に荷物の件をお願いしても無理無理。

しょーがないのでメディナにバスで行くのをタクシーに切り替え、スーツケースをガラガラさせながら行きましたよ。
 
 
タクシーはエディム広場に到着、真ん前にはマンスール門でした。

お目当てだったムーレイ・イスマイル廟は地球の歩き方情報では金曜日の午前中が閉館。そうこの日は金曜日。お昼までエディム広場やらマンスール門やらを見て午後まで時間を潰そうと思ったら、ムーレイ・イスマイル廟に入場できるのは15時からだと事実を突きつけられる。

ちなみにこの時点で12時前、3時間ある待ち時間に迷うことなくタクシー乗り場に向かいましたよ。帰りましょ。モチベーション低すぎっ。
 
 
で、エディム広場からプチタクシーに乗る。

英語のステーションが通じないドライバーさんにまたしても「すたしおん!すたしおん!」連発。するとドライバーさんわかった顔でタクシーを走らせる。

しかしまっすぐ行くだろう道をいきなり右折。Uターンか?Uターンはしない。悪い予感がする。まさかと思い「アミール!アミール!」と言うとドライバーさんメクネス駅じゃないのか顔をしやがった。

もしかして確信犯か?と思いながらタクシーは進み、結局Uターンすることなくメディナの外周をぐるっと回りやがってメーターは往路の2倍。ちゃんとメクネス アミール アブカデルすたしおんと言わなかったワタクシが悪いのですが。
 
  

  
メクネスアミールまで満席電車で来たので、ここからカサブランカまでは13時22分発の1等車のチケットを購入。1時間くらい時間があったんで近くでランチ。

しかし入店したサンドウィッチ屋で英語はまったく通じない。笑顔は通じている。

まさに高橋優くんの「福笑い」だ。


きっとこの世界の共通言語は、英語じゃなくて笑顔だと思う
笑う角に訪れる何かを愚直に信じて生きて良いと思う
誰かの笑顔につられるようにこっちまで笑顔うつる魔法ように
理屈ではない所で僕ら通じ合える力を持っているはず

 
 
そんなわけで笑顔は通じても英語は通じず、ケバブ的なものを食べたかったのにしょーがないのでサブウェイ的な選べるサンドウィッチにした。野菜はだいたいわかる。しかし見た目でわからないミンチ的なものがある。

ツナか?通じない。フィッシュか?通じない。ケタフか?通じない。おいおいおいワタクシは呆れてしまった。ツナとかフィッシュが通じないのはわかる。でもケタフは君らの言葉だろ?もっと不慣れな外国人に寄り添ってくれよ・・・。

そんな困り顔のワタクシに店員さんが前の客のちょうど焼き上がったケタフを一口試食させてくれた。ウマくて笑ってしまった。店員さんもうれしそうだった。前の客は知らぬが仏だ。ワタクシは清水の舞台から飛び降りるつもりでその得体の知れないケタフ状のものを野菜サンドに入れてもらうことにした。スパイスが効いてウマかった。

後日談だが、ケタフじゃなくてケフタが正解で、店員さんに通じなかったのも正解で、ワタクシだけが不正解だったらしい。

13時32分、10分遅れでカサブランカ経由マラケシュ行き電車がホームに入線。逆方向は1時間以上遅れていたぞ。

混みまくりの2等車に比べて1等車は6人のコンパートメントに5人。と思ったら車掌さんが来て他の3人を追いやってくれた。不埒な2等車の野郎どもだったらしい。
 
 
そして電車はラバトを通り、順調に10分遅れが30分遅れになってカサ・ボヤージュ駅に着いたのでございます。

車内での思い出といえば、並行するクルマのドライバーさんに手を振ったら手を振り返してくれて「こんなおっさんなのにゴメンね」という真摯な思いと、牧歌的な景色が広がる中で電車の窓が汚いという憤り、そしてTシャツが自分のよだれでガビガビになった悔しさ、とか。
 
カサ・ボヤージュ駅からはトラムでホテル近くのモハメド・ディウリ駅まで。ここの駅前にはスーパーACIMAがある。

数時間後、最後のディルハム散財の場所と化したのは言うまでもない。
 
 
ホテルはモロカンハウス・ホテルカサブランカ。

ホテルとしては趣味が微妙だ。お姫様気取りになれるベッドはそこそこの身長の人間には足がぶつかる仕様になっている。モロッコではリヤドを満喫してたんでこの普通のホテルさに必要以上にガッカリしちゃったのかもしれん。
 
 
一応カサブランカ観光でもしようかとカサ・ポール駅前を通ってカサブランカ港へ。魚くさっ。もっとダンディーな波止場を想像していたのにめっちゃ普通の漁港だった。魚くさっ。

カサブランカ港に来たのは匂いをかぐためではなーい。ここからハッサン2世モスクを眺めるのだ。バスに乗ってわざわざ見に行くモチベーションはねー。

その後は国連広場を通ってモハメド5世通りに。
 
 
歩いて1時間強で勝手にカサブランカの印象を言っちゃうと、モロッコの中では街であーる。所得水準も高そうであーる。街並みは見上げればおしゃれヨーロピアンで、見下ろせばゴミばかり。

メディナに行けばもっと面白いのかもしれないけど、わざわざ見に行くモチベーションはやはりねー。
 
 
で、夕食は中央市場横のスナック・アミン・アダム。

カサブランカに辿り着く前からイカを食べると決めてました。そんなスナック・アミン・アダムですが少々割高と思いきや量が多くて割高感をすぐに取り下げさせていただきました。

注文したのはゴリ押しだったブイヤベースとイカフライ、パエリヤです。
 
さすがゴリ押しのブイヤベース、魚の旨みが凝縮されてウマいと飲み干すともう一杯勝手に提供される(サービス)。2杯目はゆっくり飲みましたよ。

次にイカフライが来る。カラマリカラマルカラマルル。やわらかい、ウマい、量多し。思えば周りのテーブルにもイカフライがある。サンプル数たった3。地元民からも愛されるカラマルなのか。確かに雰囲気も加味されてたフナ広場の14番よりもウマいじゃないか。ワタクシたちはバクバク食べた。

そしてパエリヤが来て目を逸らしたのは言うまでもない。量が多すぎて食べられないことが即確定、食前逃亡であーる。とは言え貧乏性だけに嫁は具だけを食べ、ワタクシは掘り起こされる多くの具に石油王の気分に浸りながら完食一歩手前で挫折したのであります。

そしてこの店の一番の名物はご陽気なスペイン人の店員さんかもしれない。カラマルを食べながら店員にカラマルル。

布団にカラマルルながらモロッコ最後の夜眠る。


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番外:モロッコの撮り鉄事情