台北 食べ歩き旅行記 '19(1日目)
(2019年10月19日~10月23日)



人生って不思議だ。

2019年3月、台湾に行こう!そう頻繁に考えていた。ただ時期が問題だったりする。やっぱマンゴーの季節に行きたい。5月から10月か?でもLCC利用だから台風シーズンは避けるべきだ。7月から9月は無理か?じゃあ5月か6月か10月しかないだろ?でも5月はGW中に旅行するし…と旅行日程の決定に一ヶ月さまよっていた。


そんな3月30日の夜、マクドナルドで期限ギリギリの株主優待券を利用して食事しているときにふと背中を押される。今年の10月22日(火)は新天皇陛下の即位礼正殿の儀のため特別に祝日になるという。10月21日(月)を休めば4連休になる。訪台で考えていたキャリアはピーチとタイガーエア。ピーチで航空券を探してみた。さすが日系企業、特別な祝日も織り込み済みな価格設定だ。一方のタイガーエアの価格は…(笑)


そして私(達)は旅に出るのだ。

台湾、それは奥深い。最近では小籠包派から水餃派に寝返り、マンゴーが転がるだけで喜んでいた頃には見向きもしなかった芋頭にココロを震わせるようになりました。もちろんこれからも訪台は続く。
そんなわけで、今回旅の計画を立てるにあたり無意味にルールを作ってみた。今まで行ったことのない店にたくさん行こう、そんな感じでざっくりです。
 
 

10月19日(土)

立派な土曜日です。金曜日の深夜に家を出て、羽田空港に辿り着いたのは生まれたての土曜日でした。

老体にはこの羽田発台北行きの早朝便が非常に厳しい。行きも辛いし、帰りも(その日仕事に行っちゃうんで)辛い。しかし、老体につき記憶力も覚束なくこの辛さを忘れ、同じ旅程を組んでしまう。生類憐みの0時だ。
 

 

IT217 羽田空港 5:25 ⇒ 桃園空港 8:00


フライトはタイガーエア(虎航)、しかしほぼ記憶はない。普段以上に早く搭乗し、貪るように眠りましたから。

今回は初日に中歴に行く。早朝発のLCC(スクート)利用で、国光客運が深夜にバスを走らせていなかったころ、桃園空港まではタクシー一択でした。

それならばとタクシー代と睡眠時間を勘案し、何度か台湾最後の夜は中歴泊でした。しかし交通の便は改善されもう中歴のホテルを利用する必要はない。でも行きたい店もあったし、ホテルのチェックインまで時間はたっぷりあったので中歴に寄り道するのです。

中歴の行き方は難しい。空港MRTの現在の終着駅は環北站。中壢車站までは2㎞、徒歩30分弱の距離。バスを調べたら直行便は便数が少なく、桃園高鐵站乗り換えが一般的らしい。机上の堂々巡りの末、桃園空港のイミグレーションを通過した時間で考えることにした。
 

フライトはほぼ定刻だった。ガラガラのイミグレーションをパスし、自由の身になったのは8時20分。これは8時半発の中歴駅直行便5089(桃園客運)のバスに乗れる。乗った。聞かれた。ドコニイク?中歴だ。じゃあ乗れよ。そんな感じだった。

どうも観光客が桃園客運5089バスに乗るのは珍しいようで、乗り間違えが多発しているのか、不審者と思われたのか、乗客は2組、とりあえず「中歴」という地名を中国語で言えて運転手さんと意思疎通ができたおかげでバスのシートに身を委ねることに成功する。順調です。




桃園客運5089で桃園空港から中歴に着いてまず向かったのは永川牛肉麺さん再訪です。時間は9時半、その時間帯のチョイスに異論反論は有れど牛肉麺ですよ。ここは八角臭の無さに我が家が安心して食べれる数少ない牛肉麺屋さんのひとつです。

注文は川味牛肉麺(120元)と川味牛肉湯麺(60元)。湯麺とは肉を食わん嫁御用達の肉無し麺のこと。
 

はい、牛肉麺登場です。辛さは川味(四川)で元々辛いので一番辛くないやつにした。

スープはあっさりとして、トマトの酸味感もある。辛くないといいながらピリ辛さはあって、クセになるウマさですよ。途中まで食って辛さに負けて、中和するためにテーブルに置いてある高菜を投入して、別の角度からウマウマを味わう。

麺はコシがあって、太さはうどん、味は沖縄そばっぽいかな。パンチのあるスープに負けていなくて相性抜群。でも何より牛肉が旨かった。ほろほろトロトロで、辛いスープの中で肉の旨味(甘み)が最高のアクセントになっていましたね。汗だくだく。
 



食後はアイスを食べに榕樹下綿綿氷さんへ。
アイスも食べたいけどやっぱり訪台を祝して超級芒果爽でしょ。なのに榕樹下綿綿氷さんの冷蔵庫のカットマンゴーをのぞき込み愕然とした。マンゴーの色合いが良くないぞ。

榕樹下綿綿氷さんに来るまでの道すがらフルーツ屋さんを何軒か覗いて来たけど、マンゴーは見当たらなかった。今年はもうマンゴーシーズンは終了しちゃったのかもね。

そう思いつつ念のため近くの中壢榕樹下綿綿氷さんにも行ってみた。マンゴーシーズンやっぱり終了みたいですね。気を取り直して、中壢榕樹下綿綿氷さんでアイスの3点盛り(50元)発注です。
 

今回はマンゴーとパッションフルーツとバニラでお願いしてみた。

パッションフルーツのアイスうまうま。甘みもいいけど酸味があってさっぱりしてる。マンゴーはちょっとアイスにするには不向きかもと思う。アイスにすると芳醇さに欠けちゃうのかな。ってか、これで50元はコスパ最高だろ。



中歴駅に向かう途中、もう一軒アイス屋さんに立ち寄ろう。益新氷菓室さんです。もうマンゴーは諦めている。中壢榕樹下綿綿氷さんと同じ3点盛り(50元)発注です。中壢榕樹下綿綿氷さんではフルーツ重視でしたが、今回は芋頭、緑豆、紅豆の地味トリオです。
 

綠豆冰、これはいいぞ。優しい甘みで食感も面白い。しかも緑豆は利尿作用や解毒作用がある優れた豆らしく、健康のためと言い訳がましく食べられるのがいい。これで先程の永川牛肉麺の油脂が浄化されたんじゃないでしょうか。

他の芋頭も紅豆もそうだけど益新氷菓室さんは手作りさが満載で、処理が丁寧で、且つやりすぎていない感じがすばらしい。ほっこりする旨さです。台湾スイーツの奥深さが憎いです。




早めのお昼ごはんも食べ、ホテルのチェックイン時間を逆算し、台北に移動しますよ。もちろん鉄分多めなんで台鉄です。できれば13時22分発の莒光号がいい。もしくは12時18分か13時18分の自強号で。

そう思ったけど、9時半からの活動につき中歴駅に辿り着いたのは12時半。到底無理につき12時40分発の区間車で台北駅へ。
 

13時半に台北に着くころには寝不足で頭がふわふわ状態になる。緊張と緩和だ。台北に着いたら、その足で阿斌芋円さんに行き、糖分補給しようと思っていたのに痛恨のど忘れ。ショック。失望。自暴自棄。しょーがないからホテルに行ってみた。

我が台北の定宿は時間貸しもしている情欲溢れるホテル。そうラブホテル兼用なのだ。だからチェックイン前に行っても、時間貸しができる時間があればそっちを優先させる。だから期待なんかしていない。フロントのソファーで休ませてくれればいい。そんな謙虚な姿勢が醸し出されたのか即入室OKでした。ラブホテルらしく即ベッドインしました。爆睡3時間です。



ホテルにチェックイン後、予定通りたっぷり午睡。寝起きですが夕飯ですよ。ホテルから歩いて台北車站近くの豪季水餃専売店さんです。小籠包派じゃなくて水餃子派ですから。注文は蝦仁水餃(10個80元)、豬肉水餃(10個60元)、酸辣湯(30元)。水餃子の注文は10個以上、5個刻みみたいですね。
 

蝦仁水餃は皮から透ける餡のピンクさにドキドキしましたが、正体は海老まみれじゃなくて人参でした。とは言え、海老もたっぷり入っていて、頬張るとプリプリした食感で風味が広がってウマウマですよ。人参は甘み担当でしょうか。

豬肉水餃もぎっしり餡が入っていてニラのバランスが個人的に大好きでおいしいやつでした。嫁は蝦仁水餃派ですが、旦那は豬肉水餃派です。

酸辣湯もおいしかった。しかしこの店で一番驚いたのは、嫁が豬肉水餃の字面を見て、イノシシ肉なんか食えないと小声でのたまわったことでした。中国語で猪肉は「豚肉」です。

ここの店舗は台北駅からすぐ近く。訪台1食目もしくはラスト飯に最適だな。




食後のデザートは北門近くの来呷甜甜品さんへ。台湾の有名ブログ食べ台湾さんを見ていた嫁が、ちょうどこの日に更新された記事を見つけて、これは運命だとか宿命だとか勝手に盛り上がって行ってみました。

店の場所は夜だと比較的寂しい場所にある。場所が寂しというよりも人通りが全然なかった。とは言え、この店には人が絶えない。注文は決まっている。食べ台湾さんの記事通りというか今回の旅の目的である芋頭が魅力的な蜜芋麻糬焼雪冰(95元)です。
 

作り方はよくわからんが非常に丁寧で繊細な感じです。そして着丼してみたらもう撮影会始まっちまうでしょ。ナイスなビジュアル。

食べ台湾さんの講釈通り蜜芋(甘く煮たタロイモ)+麻糬焼(モチっとトロっと作り上げたピーナッツを纏ったお餅)+雪冰(ミルクベースのかき氷)ですが、それに各々「上級な」と付け加えたい逸品ですよ。

タロイモは甘く煮ていない感じで素材の甘みが粛々とやって来ますよ。ピーナツ粉にまぶされた餅は雪冰と呉越同舟でも全然硬くならず最後までトロトロQQでウマウマ。またこのピーナツ粉の香ばしさがすばらしい。タロイモラバーのくせにタロイモよりもピーナッツ粉に惚れてしまいました。

とか思いつつ、どんな角度から食っても美味しい。最後は溶けたミルクカキ氷とタロソース、そこにピーナツ粉を混ぜ混ぜして食ってやりましたよ。ホテルまでの帰り道は徒歩11分(グーグルマップ調べ)ですが、蜜芋麻糬焼雪冰に興奮冷めやらぬせいか体感5分でした。最高。


昼寝をたっぷりしていても関係ない。即爆睡。もしベッドの上にドローンが飛んでいたら、ダブルベッドに横たわる二人の寝相は「北」という文字を形成していたに違いない。北門の北だな。



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