ケニア旅行記U
(2010年8月6日〜2010年8月14日)
★ 8−9日目 ★
朝5時45分、日本を発ってから昨夜はじめて電源を入れた携帯電話のアラームが鳴り響く。ケニア最後の日の始まり始まり。 シャワーを浴びる。デビッドが迎えに来るのが7時。朝食は6時半から。6時半には日本行きの荷物を作っておく必要がある。最後に日の朝はやはり忙しさからひとつひとつ事務的な作業を進めていくだけのさみしさがある。 ナクルに来て、厚い壁のロッジに身を置いて、もう耳サファリはなくなるはずだった。ロッジの軒下に鳥の巣があったとは、ナクルでも耳サファリは続く。 |
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ブレックファーストへようこそ。 さみしいので自分でつぶやく。本日の朝食メニューは、目玉焼きと焼き芋テーストのイモ、それと一口しか口にしなかったスープ。 大量の客が泊まり、そのほとんどの客が1泊で去っていくように、このロッジの時間は決まった時間だけが慌ただしい。そうサファリが終わり、ロッジにチェックインする夕方の6時頃と、早朝7時過ぎのチェックアウトとその間際のレストラン。 |
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7時を少し回って、ドライバーのデビッドと合流。デビッドはライオンヒルゲームロッジじゃなくてナクルの町に泊まったらしい。ロッジに缶詰めより町で羽を伸ばしてきたのかも。 感慨深い出発。ゲームサファリをしながらナイロビの空港までこの道は続いている。その先には東京。ナクルの朝はマサイマラほど寒くはない。動物が山から湖に出勤するように同じ方向を目指して進行していく。 この日もシロサイをよく見た。16まで数えたが、それ以降は数えるのを拒否してやった。そんな中でシロサイの親子だ。絵に描いたようなブサイクベイビーに胸がキュンとする。 |
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僕がナクルで期待していたのはサイ、ヒョウ、フラミンゴ、フライングペリカン。あとはペリカンがいて、デビッドがペリカンを追いかければ、僕はペリカンの飛んでいる姿をカメラに収めることができる、そう思っていた。 そう思っていたのに、デビッドは想像以上にチャーミングなことをやらかしやがった。 |
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簡単に言おう。前に道がある。前の道に木が倒れていて通行できない。デビッドは木を避けながら道を外れて進もうとした。タイヤは空を切った。そんな感じでご理解いただけただろうか。お見事にスタックしたのだ。 必死にリカバリーを試みるデビッド。車内から阿呆面でそれを眺める夫婦。そうだ、ここにはライオンがいてヒョウがいるのだ。そうやすやすとサファリカーから降りることなんかできない。勇気がない。根性無しだ。でも仕方ないから、デビッドにお手伝いを提案する。お客様の命がかかっているんだ、断われ、断るんだ、デビッド。。。 しかし、デビッドは迷うことなくその社交辞令的な提案を受け入れた。日本人の心を知らなさすぎだ。そして、しばし作戦会議。僕とデビッドがクルマを持ち上げる。ガバナーズのクルマと違い、このクルマはオートマチック車。非力な嫁が運転役だ。しかし、サファリカーは動くことなく、徒労に終わる。 |
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その隙に僕は写真を撮る。すまん、デビッド。君が必死な時に僕は違う喜びを感じ始めている。サファリの醍醐味というか、サミーに言わせれば「これもサファリだ!」ということになる。 すると前方からサファリカーが現れた。必死な形相で助けを求めるところかもしれない。僕は半笑いで誇らしげに助けを求める。やっちまったぜ〜顔だ。作業仲間が5人に増えた。しかし、やっぱり徒労に終わり、彼らは引き返していく。 デビッドはとうとう無線を手にした。はじめて無線が役立った瞬間だった。動物目撃情報ではなくサファリカー遭難情報とは無線冥利に尽きないお役目だ。デビッドの言葉から、バブーンクリフでクルマがスタックしたことがレンジャーに伝えられる。その間も僕はこそこそ写真を撮る。 |
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しばらくしてレンジャーさんが到着。総勢5名。1名が道を寸断している樹木をなたで伐採し、1名がサファリカーの様子を見る。銃を構えるもの1名に、談笑する男女2名。嫁は談笑する女性に近付き、自分の股下と彼女の股下の長さを比べる。みんな大爆笑。 結局、レンジャーさんのクルマでけん引してもらって僕たちのサファリカーはタイヤを滑らすことを忘れた。笑顔が絶えないいい思い出になった。しかし、時間は結構かかり、フライトの時間は迫る。ペリカンの飛んでいる姿は諦めるしかなく、デビッドのチップを5ドル減額して、自分を納得させたのでありました。 |
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ナイロビ・ジョモ・ケニヤッタ国際空港。 無事ここまで辿り着いた安心感とさみしさが交錯する、そんな余裕はなく免税店をはしごしてドーハ行きのカタール航空に搭乗する。そして簡単ではありますが暑さが取り柄のドーハに到着。 画像はドーハ国際空港で、長時間のトランジット客に提供される無料のお食事。カレーとライスの分量バランスが絶妙すぎる。ちなみにカレーは塩辛い。ウマいか問われたら、口に合わないとだけ言うかもしれない。ドリンクがもらえるだけでいいじゃないか。 |
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そんな感じで、東京に向かう。今度こそ帰路につけた安心感とさみしさが交錯する、はずはなく爆睡は続く。 帰路、関空で一回降ろされて手荷物の安全確認をさせられたとか、機内食にコリアンダーが豊富に使われていたとか、サファリチョコが安い割に重くて不貞腐れたとか、そんなことは大したことではない。 大したことと言えば、嫁が帰りの機内で3度目のケニア旅行の日程を考えていたことくらいだ。 |
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【本日お見かけした動物】 |
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バブーン、サバンナモンキー、マングース、グラントシマウマ、シロサイ、イボイノシシ、イランド、ウォーターバック、トピ、インパラ、トムソンガゼル、バッファロー、フラミンゴ、ペリカン、アフリカハゲコウ、ハゲワシ、あと記憶から漏れたもの。 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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(※)サファリ現地ツアー代金 1人US$2,800 <含まれるもの>宿泊、日程内食事代、日程内全移動、全公園入園料、ゲームドライブ、ナイロビ市内空港送迎<含まれないもの>飲物、チップ、オプショナル、その他個人費用 |
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